【プロフィール】
大野晃平 (おおのこうへい) さん
岩手県釜石市出身。岩手デザイナー協会所属。家業を継ぎながら地元釜石市や岩手県を盛り上げる催しに積極的に参加しています。イラスト、広告デザイン、コピーデザイン、動画制作などを通してどのようにすれば地方が活性化するか模索中です。大友克洋、東京事変、スチームパンク好きです。
こだわり過ぎて作品の意図が伝わらないことがあった
ーー大野さんのご経歴を教えてください。
大野さん
岩手県釜石市出身で、岩手デザイナー協会所属しています。洋画やデザインを勉強した後に家業を継ぐために帰郷しました。物事をあまり深く考える方ではないのてすが作品制作になると細かくこだわってしまいます。そのため若い時はこだわり過ぎて作品の意図が伝わらないことがあったので、今は独りよがりにならないように気をつけています。
ーーこちらの作品(下)は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」ですね。
大野さん
依頼をいただいてこのような作品も描かせていただきました。遊び心として梱包で使うビニール紐をトレースして世界感を表現してみました。
ーーほんとだ。よく見るとビニール紐ですね笑
大野さん
作品をつくるときはこのようにパーツごとに描いて重ねる方法をよく用います。
ーーこちらも大野さんの作品ですね。市内のホテルのパンフレットですが、これを見て「面白い!」とお声かけさせていただきました。
大野さん
ご依頼いただいた方がとても素敵な方で、面白いことをしよう!とおっしゃっていただき、釜石市内を自分なりに表現してみました。今回のご縁にもつながったので大変ありがたかったです。
若い人たちが楽しい思い出を作れる町
ーー地元である釜石に対しての想いなど、これまでの活動のなかで変化はありましたか?
大野さん
地元に対する考え方というものが年齢とともに変わっていきました。特に子供ができてからは、若い人たちが楽しい思い出を作れる町とは、将来暮らしていく街とはどんなところが良いだろうと考えるようになりました。
あるイベントで若い学生さんたちと一緒になった時には「街の魅力を教えてください」という司会者の質問に対して学生さんたちが「特にありません」と答えていたのを聞いてとても悲しくなりました。
ーー今回のようなイベントへの参加など、大野さんの作品や人柄を通して若い人たちにも釜石の魅力が伝わるのでないかと思います。
そうですね。そのためにも、こういう町にしていきたい、こう言うものがあったら暮らしていきたいというような分かりやすいイメージを提案していきたいです。SF小説や漫画、映画のように、そのヴィジュアルやデザインが未来に影響を与えていけたらなと考えています。箱ものを建てるのには莫大なお金が必要ですが、イメージだけの提案は無料なので。
ーー現在、仲見世通りの未来のイメージもイラストで表現するご依頼をさせていただいています。どんな意識でご作成いただいていますか?
大野さん
1番の目的は、ここで(仲見世や釜石で)活動する方達のモチベーションを上げられるようなものを作ることです。ここで、この場所で活動することが「意義のある」「かっこいい」と思えるようなイメージや、「活動したい」「この場所で働きたい」と思ってもらえるようなキャッチコピーを考えてきたいです。さらにそういう活動に共感してくれる人が集まって触発しあって、化学変化のようなものが起こっていければ嬉しいです。
イベントを終えて
はじめての試みにも関わらず、快く引き受けていただいた大野さん。地元釜石に対する想いも素晴らしく、今後さまざまなコラボレーションを生み出していけたら嬉しいです。ご作成いただいている仲見世通りの作品も素敵な仕上がりになりそうなのでお楽しみに!