釜石クリエイターズlab.vol04 「イワテ発」

釜石クリエイターズlab.は、「釜石でクリエイティブを学ぶ 仲見世通りで実験をする」をコンセプトに、釜石市にゆかりあるモノづくり作家やアーティストから学び、新たな交流を生み出す共創・実験型コミュニティです。

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今回はトークイベント第四弾!

沿岸地域で活動するデザイナーを中心とし、地域資源の新たな活用方法および訴求を行うクリエイティブユニット「イワテ発」のお2人にご登壇いただきました。

【プロフィール】
イワテ発

・プロデューサー/デザイナー 境悠作
1988年 東京都生まれ。FROM NIPPON / 株式会社Re:Tohoku 代表。Northeastern Universityを経て、バンタンデザイン研究所プロダクトデザイン科卒業。LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 福岡県匠選出。

・デザイナー 碇川裕人
1986年 埼玉県生まれ。合同会社 atelier yuto ikarigawa 代表。多摩美術大学卒業。 大学卒業後シンガポールのインテリアデザイン事務所勤務を経て独立。 2020年日本へ帰国し岩手を拠点に活動中。2022年ミラノサローネ・サテリテ 出展予定。

目次

クリエイティブユニット「イワテ発」

ーー今回はご登壇、ありがとうございます。まずは境さん、碇川さんそれぞれのご経歴から伺いたいと思います。

ーーまずは境さん。ご経歴をみると、もともとは経営の勉強をされていたのですね。

さん
海外の大学に留学をしていた中で、経営経済学を勉強していたのですが、その論理のみではより多くの企業を改善へ導くことに難しいと感じ、より広範囲に汎用性の高い手法を提案できないかと思い『デザイン』というスキルに興味を持ち、経営とデザインを融合させるサービスの提供(現在の形)に至りました。マクロな概念とミクロな手法をハイブリットに且つシームレスに提案できることを目指して日々活動しています。

ーー碇川さんは一貫してデザインを学ばれてきたように思います。何かキッカケはあったのでしょうか

碇川さん
高校野球に明け暮れた高校生活を終え、消防士を目指し挫折していたのですが、訳あってニートになり、人生に絶望した時に、どうせ何も無い人生なら好きな事しようと思いました。そのタイミングで照明デザインという仕事がある事を知り、美大受験を目指す事になります。美大に入学後はインテリアコースをメインに学び、第一線で活躍する先生達の仕事に猛烈に憧れて、今に至ります。

ーーご縁あって岩手の地(釜石-大槌)で出会ったお二人ですが、「イワテ発」はどのような想いで結成されたのでしょう。

さん
岩手県や釜石-大槌には素材として興味深いものが多くあります。しかしながらそれらが製品として結びついたり、より多くの方々へ伝わる機会が少ない様に思っていました。そこで、岩手という土地で不思議なご縁で巡り合ったクリエイティブの能力に強みを持つメンバーが岩手の素材を用いて、さまざまな表現をしたいと思い、集まったのが「イワテ発」です。ものづくりとは真摯に取り組むべきという姿勢をまずは持ちつつ、同時に楽しむ心、楽しませる心をクリエイティブというアウトプットを通してより多くの方々へ伝えていくための実験ユニットとして活動しています。

それぞれの活動について

ーーそれぞれのこれまでのご実績などお伺いしたいと思います。まずは境さんからよろしくお願いします!

境さんのこれまでの作品 <地域産材を活用したオリジナル製品> ※一部抜粋
(左上:Kamaishi Forestry Kitchen/右上:TRI STOOL/左下:根浜お守りホイッスル/右下:BOX BASE)

さん
主な制作物の傾向として、プロダクトデザイン(製品デザイン)の業務がメインではあるのですが、岩手県に移住してからはグラフィックデザイン(ロゴ、パッケージ、ポスター等)の案件もプロダクトデザインと同じくらいの比重で承ることが増えてきました。プロダクトデザインにおいては、起業型地域おこし協力隊のテーマでもあった「地域産材を活用したオリジナル製品開発」を継続して行なっています。

岩手に移住してからはグラッフィクのデザインも。

ーー実績を積んでいく上で、振り返って気づいたターニングポイントなどはありますか?

ターニングポイントとしては、2点あります。
①大学での病気の罹患のタイミング 進むべき道に悩みつつ、どうするべきか悩んでいた過程において、眼病にかかり学業の継続が困難になったタイミングで新たな道へ進むきっかけを得ることができました。
②岩手県への移住 地方創生に興味があったことと、木材を生産する林業団体であったり製材所のそばでデザインを考えてみたいと思い、飛び込んだとても大きなきっかけでした。

東京出身で旅行も地方に行くこともあったのですが、具体的に暮らしてみて地方の魅力と将来への課題が実体験を通して見えてくる様になったのがとても面白いポイントでした。またデザインの話で言うと「カタチ」の話がメインになりがちかなと最初は正直思っていて「まるやさんかくやしかく」のようにただかっこいいか悪いかみたいな部分のみがデザインだと最初は思っていました。しかしながら人を中心にどの様な形であれば、どの様な結果が導き出されるのかを一方的に押し付けず、より哲学的な側面も含め考えることが大変興味深く今もその部分が面白くて業務をしていたりします。

ーー碇川さんはいかがでしょう。

碇川さん
大学卒業後、シンガポールの内装設計会社に就職しました。デザイナースタッフとして飲食店・物販店・自邸・ホテル等の海外の物件を担当しました。同社に約6年務めた後、シンガポールの現地法人 Atelier Kujira Pte.Ltd を設立。独立後は主に飲食店・美容室・物販店・自邸の設計、施工を経験しました。

物や空間が出来上がり、お客さんや関わった人に評価して貰えた時、純粋に嬉しく思います。物作りがやっぱり好きなので、死ぬその日までスケッチ書いていたいなと思ったりします。現在は妻実家の大槌町吉里吉里を本拠地に、テレワークをメインに内装設計の仕事をしているのですが、日本のオフィスや店舗設計がメインで、シンガポールの店舗設計の仕事も同時並行で進めています。この先はもっと自分の強みを活かした仕事に専念していきたいと思っています。

岩手について

ーー制作・暮らしのなかで岩手ならではの良さを感じる部分などありますでしょうか。

さん
素材が豊富であるという点と作ったものに対するフィードバックや反応が直接にそしてすぐに返ってくる点都会であれば、評価を得るにしても、メディアに掲載いただくにしても、かなりの結果を出す必要が前提として求められますが、岩手であればより現実的な手法と解があればきちんと正当に評価いただきやすい環境がとても興味深く捉えています。
殊、釜石においては、新しいものに対してそれほど抵抗がなく、フラットにものを捉え良いものまたは悪いものに対してすごく冷静に捉える印象をもっていて、その辺りも面白いと思います。

碇川さん
釣りやキャンプなどのアウトドアが趣味な事も大きいですが、シンガポールには山も川もなく、10年間ずっと自然が恋しかったので、この美しい風景は、移住して1年半経ちますが毎日眺めてても飽きません。また、釜石に行く時は少し楽しみだったりします。イオンに行ったりカフェに行ったり、釜石で休日を過ごすのが楽しいです。仲見世通りに風景や街中の空気感も大好きで、とても良い町だと思います。鉄の歴史・文化にもとても興味がありますので、いつか何かを職人さんと一緒に作れたらいいなと考えてます。

イワテ発について

ーー改めて、イワテ発について今後の展望などお聞かせください。

さん
地域の領域や垣根を越えて有機的に近い価値観を持つ人々が集ってものづくりをして楽しめる、そんなグループになっていったらいいなと思っています。一人でもグループでも全ての0→1を生み出すことができる点として社会に影響を与えられるそういう存在を目指したいです。世間的にはないことばかりを数えてしまいがちですが、無いことよりもあるを生み出し続けられるそういう存在になれる様頑張りたいです。

碇川さん
岩手県を筆頭に日本国内に余り過ぎている杉の木による環境破壊を、解決する術は今もありません。森林事業の担い手も減っていく中、需要も見込めない放置された木材は森を老廃させていきます。これは問題の1例に過ぎませんが、クリエイティブの力で僕らに出来る事はあるのではないか、と思っていたりします。このグループユニットで、楽しみながら実験を重ねて行けたらと思っています。
また、個人的には展示などの活動も含めてデザイナーとしてもっとレベルアップしていかなければと思っています。イワテ発として実績を作ってから、メディアに出ていくなど、認知度を広げる活動をしていければと考えています。

イベントを終えて
イベントの最後を飾っていただいたイワテ発のお二人。岩手で出会ったご縁から、さまざまな実験を生み出していこうとする姿勢に新しい岩手の可能性を感じた時間でした。これからのご活躍を期待しています!

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この記事を書いた人

空想ポスト編集長/合同会社sofo代表社員
自分らしい働き方や暮らし方を求め岩手県釜石市に拠点を移し、釜石大観音仲見世商店街の活性化に取り組んでいます

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